Monamily in Paris (...in London/in Tokyo/in New York/etc...)

派遣留学でパリの街に恋し、東京でアメリカ軍人の夫と結婚し、日系企業の駐在員としてロンドンで単身赴任中の私の純ジャパ奮闘記

【コロナ禍の欧州旅行】クロアチア・ドゥブロブニク編~素敵なホテル担当者に感謝~

日本帰国まで秒読みとなった2021年の冬、オミクロン株の流行により各国は再び規制強化の方向に動き始めていた。

キリスト教圏内の国々ではクリスマス前後は観光地も基本休業なので、平常運転しているイスラム圏のエジプトやモロッコへ旅行をしたいと考えていたが、先に述べた感染症の状況を踏まえると、大陸を越えると最悪の場合フランスへ戻れなくなるリスクも無きにしも非ずだったため断念し、欧州圏内で目的地を探すことにした。

その後、12月全体の計画を色々考えた結果、クリスマスと年末年始はパリで過ごす予定を入れたため、旅行できるのは12/26~12/28の2泊3日となり、この3日間に観光地が休業しておらず、かつ天候が良い都市を選ぶ必要があった。
特に12/26は休業している観光地やレストランが多く、仮にネット上の情報で営業していると書かれていても、それはコロナ前にアジアからの観光客需要があった時代の話で、欧州圏内の旅行者しか見受けられない今年は休業しているという可能性もあり、油断できない。
また、冬の欧州はとにかく天候が期待できず、どこの都市も荒れ模様の予報が目立った。

そんな中、2泊3日でも楽しめそうで天候も良さそうなのがクロアチアのドゥブロブニクだった。
アドリア海に面する南クロアチアの都市、魔女の宅急便の舞台になったと言われている町である。

 
 
 
 
 
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一般的には夏に訪れる観光地なので、閑散期の12月はホテルの値段も安かった。元々物価が安いのもあるが、条件次第ではパリの3つ星ホテルよりも安い値段で5つ星ホテルも予約可能だった。

一番の問題はクリスマスシーズンの観光地・飲食店の休業情報だったが、5つ星や4つ星ホテルの担当者であれば、予約前でも質問すれば答えてくれるのではないかと考え、実際に泊まりたいと思った5つ星と4つ星の2つのホテル担当者にBooking.comを通じて連絡を取り質問することにした。

驚いたことに、どちらも返信が早い上に非常に丁寧だった。この事務処理能力の高さ・ホスピタリティは欧州では他に経験したことがない。
未だ予約していないのにもかかわらず、「営業している飲食店と観光地を調べて、明日までにリストにして送るわね!」と前向きな返信をくれたうえに、その日の夜にはリストを送信してくれた。楽しみにしていた城壁巡りとロープウェイは営業していること、数は多くないが飲食店も営業していることがわかり、ドゥブロブニクに行くことを決めた。
ちなみに、結局5つ星ホテルはBooking.comの価格変動システムの関係で値上がりしてしまい、私が考えていた予算を超えたので、4つ星ホテルの方を予約することにしたが、結果としてこのホテル「Bota Palace」の担当者がとにかく素晴らしい人間だった。

 

ドゥブロブニクに行く場合、夏季であればプリトヴィッツェ湖群国立公園にも立ち寄るのが定番コースだが、この公園は冬に行くような場所ではなかったため、今回はドゥブロブニクのみで2泊3日で丁度良かった。

ただ、2泊3日と言っても、冬場は飛行機の本数が極端に少ない上に乗り継ぎがかなり悪かったため、実質マトモに観光できるのは真ん中の1日だけであった。裏を返せば、ドゥブロブニクだけであれば丸1日あれば十分なのである。

パリから行く場合、一度ザグレブクロアチアの首都)まで国際線で渡航し、そこから国内線に乗り換えてドゥブロブニクに行くのだが、初日は日没後に到着し、最終日は日が昇る前にはホテルをチェックアウトする必要があった。
往路は国際線が遅延し、ターミナルに降り立つ頃には国内線の出発時間が過ぎていたので一瞬頭が真っ白になったが、そもそも次の国内線を利用する乗客の大多数を我々パリ組が占めていたようで、国内線は我々が到着するまで待ってくれていた。

空港からドゥブロブニク市街地も少し離れており、移動手段は市営バスかホテル送迎の2択となる。所要時間も利便性も差がないのに、価格は雲泥の差だったので、市営バスを使いたいと思っていたが、バス会社の公式ホームページや時刻表が色々適当でイマイチ信用できず、本当にバスは運行しているのか不安だった。
そんな思いを抱きながら旅行準備を進めていると、ホテルの担当者から連絡があり送迎要否を尋ねられたため「私はお金持ちではないので市営バスで行こうと思っているが、本当にバスが運行しているか不安。時刻表には○○と書かれているが12/26もこの通り運行しているか?」と話してみたところ、「あなたの言う通り、市営バスの方が良い選択だと思う!バスの時刻表は私が調べるから、少し待っててね」と言って、バスの運行情報を確認してくれた。コロナ禍の旅行情報は、現地語ができないと正確な情報を得ることが難しいので、本当に助かった。
結果、バスは利用可能であったため、送迎を頼むと数千円かかるところを数百円の出費に抑えることができた。
ちなみに、バスと言っても実際に来たのは6人乗りのバンのような車で乗客も他に1組いる程度だったので、殆どプライベート送迎と変わらない気がした。

東欧の日没は西欧より早いこともあり、市街地に到着した頃には既に真っ暗だったが、メインの大通りに並ぶクリスマスマーケットの出店のおかげで少し華やかだった。とはいえ、大きなものではなく、東京でいうと小さな下町の神社で行われるお祭りに並ぶテキ屋くらいの規模の小さなマーケットである(滞在期間が短いため、全てクレジットカードでやり過ごす予定で現地通貨を用意していなかったところ、このクリスマーケットは現金支払いのみ可だったので、一度も利用はしなかった)。

例のホテル担当女性からは「あなたが到着する時間には現地にいるようにするから、時間がわかったらWhatsAppで連絡してね」と言われていた。3つ星以下のホテルでは他国でも経験済みのパターンだが、4つ星ホテルでフロントが常駐でないのは珍しい。
とはいえ、ドゥブロブニクのような小さな町で、かつ閑散期なのだから従業員を常駐させる余裕がないのは容易に理解でき、全く不快には思わなかった。むしろ、先程から述べている通り、この担当女性は本当に親切で事務処理能力も高い人だったので、WhatsAppで適宜やりとりができて大変助かった。

無事ホテルに到着すると、彼女は明るく私も出迎えてくれた。チェックインを済ませ、部屋を案内してもらう―――――利便性、外観、内観の全てが気に入った。
とりあえず空腹だったので、彼女が教えてくれた飲食店「Taj Mahal Old Town」を訪れ、彼女のオススメのスープと肉料理を注文した。美味しい。観光地にしては良心的なお値段だし、とても満足した。彼女からWhatsAppで感想を聞かれたので、写真を添えてとても美味しかった旨返信した。
尚、私は翌日も彼女のオススメのレストランを廻ったが、毎回彼女に食べたモノの写真を送り感想を伝えた。どのレストランも本当に美味しかった。

翌朝、ホテルで出された朝食も飛び上がりたくなるくらい美味しかった。3種類の選択肢の中からオムレツを選んだのだが、大当たりだった。ワンプレートにオムレツとマッシュルームとサラダが載っていて、栄養バランスも良好。基本的に東欧の方が西欧より日本人の食生活に近いため、当たりの食事が多かった気がする。

朝食を済ませ、少し市街地を散歩した後、城壁巡りの入り口に向かった。天気予報が変わり、時間帯によっては大雨と雷のマークが出ていたため、天気が崩れる前に主要スポットを廻りたかった。
営業時間より少し早めに到着したところ、既にスタッフはいたものの「あと4分だから、もう少し待ってね」と言われた。
このスタッフといえ、ホテル担当者といえ、私が出会ったクロアチア人は皆フランス人並みにフレンドリーなのに日本人並みに事務処理能力が高く時間に正確である。

不思議なことに、私が城壁を歩き始めると、朝の時点では曇っていた空から次第に雲が消えてゆき、良い写真が沢山撮れた。

 
 
 
 
 
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午後はロープウェイで山頂に登り、展望台よりもさらに景色の良い場所を探して舗装されていない崖のような場所にも足を踏み入れながら撮影スポットを射止めた。
その時に撮影した写真が、このブログの冒頭で掲載した写真だが、御覧の通り、幸運にも午後まで空は晴れ続けてくれていた。

雷が轟き、大雨が降ってきたのは、私が早めの夕飯を済ませてホテルに戻った後だった。翌朝のフライトが朝6時台で、朝5時にはホテルをチェックアウトしないといけなかったので、早めに寝るために早めにホテルに戻ったのが理由で、天候は本当に偶然である。この時は本当にビックリするくらい運が良かった。

さらに嬉しいことに、ホテル担当者の女性から「あなたは明日朝早くてホテルで朝食をとれないから、代わりに私が弁当を作るわ」というメッセージが届いた。どこまで親切な人なのだろう。勿論、弁当といっても日本人が想像するような弁当ではなく、パンと果物とヨーグルトとスナックの詰め合わせのような簡易的なものなのはわかっていたが、それだけでも本当に本当にありがたかった。

滞在期間が短かったうえに、そもそもドゥブロブニク自体がとても小さな町でフォトスポットも限られるので、Instagramに投稿したのは2回×2枚=計4枚の写真だけだが、その裏には語り尽くせないほどのおもてなしが存在した(ちなみに、同じInstagramでもストーリーズアーカイブの方には食事の写真等も色々上げているので、ご興味があればご覧いただきたい)。
ジェラート屋さんやお土産屋さんなど、夏の繁忙期であれば賑わっているであろう店もその殆どが休業していたが、そんなことはどうでもいいくらい、幸せな気持ちになれる旅行だった。

在仏生活の最後の旅行に、この場所を選んで本当に良かったと思っている。

 

※【コロナ禍の欧州旅行】シリーズの記事一覧は以下のリンクよりご覧いただけます。

monamilyinparis.hatenablog.jp