Monamily in Paris (...in London/in Tokyo/in New York/etc...)

派遣留学でパリの街に恋し、東京でアメリカ軍人の夫と結婚し、日系企業の駐在員としてロンドンで単身赴任中の私の純ジャパ奮闘記

【コロナ禍の欧州旅行】ハンガリー・ブダペスト編

2021年12月、ビジネススクールの授業と課題の合間を縫って、私はハンガリーブダペストに弾丸旅行をすることに決めた。

ブダペスト自体は小さな都市で、観光は丸1日あれば十分なのだが、私が1泊2日ではなく2泊3日の旅程を組んだのは、ブダペストに行く目的が夜景撮影であったからだ。

ブダペストの夜景は美しい。街全体というよりは、国会議事堂のライトアップがとにかく美しいのだ。

 
 
 
 
 
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はっきり言って、ブダペストは観光地としての見どころが少ないし、敗戦国にはありがちだが街並みも他の欧州都市と比べればイマイチである。
日本やドイツのいくつかの都市にも当てはまる話だが、敗戦国では歴史的な趣深い建物たちが焼け落とされ、戦後になって復興のために景観もへったくれもないuglyで中途半端な近代建築たちが矢継ぎ早建てられたというパターンが多いので、街を歩いていてもワクワク感がない。

それにもかかわらず、私がブダペストを心から楽しむことができたのは、上記のような欠点にも勝る国会議事堂の美しさのおかげである(付け加えるなら、食事も中々美味しかった)。

「この世で一番お気に入りの被写体は何か?」と問われれば、私は迷わずエッフェル塔と回答する。色々な角度や場所、季節や時間帯で違った顔を見ることができ、その全てが私を夢中にさせた。
だが、さすがにエッフェル塔には敵わないものの、ブダペストの国会議事堂も私にとっては非常に魅力的な被写体であった。私はInstagramブダペストの写真を9枚投稿しているが、そのうち4枚が国会議事堂の外観である。
違った角度・場所・時間帯に国会議事堂の写真を撮るためには、2泊3日は必要だった。

 

冒頭に掲載した写真は、1日目に現地に到着してすぐに撮りに行った写真である。冬の東欧は驚くほど日照時間が短く、この日の日没は15時台だったはずだ。同じヨーロッパでも、フランスは冬でも19時近くまで明るい(その代わり朝は9時頃まで暗い)わけだから、何とも差が激しい。
夜景は日没1時間後の空が最も映えるので、15時過ぎに空港に到着すると急いで市内に向かったが、夜景スポットに到着した頃には既に真っ暗だった。
それでも、オレンジ色の暖かい光に照らし出された国会議事堂の姿は、この世の物とは思えないくらい美しかった。
ホテルに荷物を置きに行く時間も惜しんで撮影に直行したため、肉体的にはそこそこ疲れていたが、そんなことはどうでも良いくらい写真を撮り続けることができた。

 

日が暮れるのが早いこともあり、飲食店が夜の営業を始める時間も西欧に比べると大分早い。パリでは大概レストランの営業開始は19時だったが、ブダペストでは17時台から営業開始しているお店も多かった。日本でも17時半位から営業する店が多いため、日本から直接ブダペストに旅行する場合は何とも思わないポイントかもしれないが、体内時計がパリでの生活に設定されて1年以上経過していた当時の自分にとっては驚きであった。

そして、ブダペストで食べた食事はどれも美味しかったし、価格もリーズナブルだった。とはいっても、これもパリ基準での評価なので、日本から直接ブダペストを旅行した人は違った感想を抱くかもしれない。
以前投稿したドゥブロブニクの記事でも述べた通り、東欧の料理は西欧の物と比べて日本人の口に合うものが多い。
パリで食べたら20€くらいかかりそうな豚レバーのグリルがブダペストでは6€で食べることができた。しかも味付けが日本人好みでメチャクチャおいしい。
一方、不思議だったのは、レストランで美味しいメインディッシュが6€にもかかわらず、クリスマスマーケットの屋台に売っているファストフード系の食事の方が10€くらいと高めであったことだ。一度、鮎のフライみたいなのを屋台で買ったところ、普通に美味しかったものの値段は西欧と変わらない10€だったので、この国ではレストランで食べた方が断然お得だと気付かされた。

日没が早いおかげで、夜20時には夜景撮影と夕食の両方が既に完了しており、ホテルに戻ってビジネススクールの課題のための同級生とのオンライン会議にも参加できた。
この時既に日没から5時間が経過していたため、夜更かしをしている気分だったが、未だ20時である。パリにいたら、夜が始まったばかりという時間なのだ。
それでも、オンライン会議が終わると私はすぐにシャワーを浴びて就寝した。移動で疲れていたのもあるが、外が暗くなって数時間経てば自然と眠くなるものであった。やはり人間は太陽と共に目を覚まし、眠りにつく生き物である。
更に言うと、この街には特別楽しみたいと思う夜の娯楽が無かったのと、高層ビルの殆ど無いヨーロッパの夜は東京と比べて格段に暗いのと、気温が低く寒かったことも、早く布団に入りたいと思った理由だった。

 

2日目の昼間は気になる観光スポットをいくつか廻った。
天気に恵まれ、写真も撮りやすかった。
やはり東欧の建造物というのは西欧とはまた違った趣があり、西欧の正統派のお城や教会に目が慣れてしまった自分にはブダペストの個性的な建物たちは真新しく新鮮だった。

 
 
 
 
 
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建築に関してどちらが好きかと聞かれれば、西欧の方が好きなのは否めない。基本的に、フランスやイタリアのロマンチックな宮殿や教会の方が好きだ。
だが、西欧は夏の間に散々旅行しつくしたこともあり、この冬はエキゾチックな東欧に興味が湧いていた。
物珍しいものに惹かれるのは、人間として自然な心理である。雑然とした無機質な高層建築物ばかりの東京はuglyだと私は思っていたが、おとぎ話に出てくるカワイイ建物だらけのヨーロッパで生まれ育った西洋人の友人に言わせれば「東京はSFの世界みたいでワクワクする」とのことだ。
「西洋人はこんなカワイイ街並みの中で暮らしてるってどういうことやねん!絵本の中の住人なのかコイツらは?」と思っていたが、彼らから言わせれば我々東京都民はSFの世界の住人だと考えれば、どっちもどっちなのかもしれない。

 
 
 
 
 
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見どころはそんなに多くないものの、日没が早いとなれば夕暮れから夜景迄の撮影ボーナスタイムもあっという間にやってくるため、そこまで時間的余裕はなかった。
昼食を済ませた後、数時間以内に日没が訪れるのだから、撮影スポットにも早めに移動する必要があるのだ。

特に、今回は世界一美しいドナウの夜景が見られるゲッレールトの丘からの撮影を目的としていたため、丘へ登るのにかかる時間も計算しておかなくてはならない。

詳細は私のInstagramストーリーアーカイブに載せているが、丘の頂上まで登り切ったものの展望台が工事で封鎖されていて中に入れなかったため、展望台が囲まれている柵の外のわずか数十センチほどの崖に立って写真を撮った(有名な観光スポットが工事中なのはコロナ禍あるあるである)。

苦労した甲斐があり、望み通りの写真を撮ることができた。

 
 
 
 
 
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日没1時間のマジックアワーが終わる頃には撮影を終え、足早に山を下った。
先程述べた通り、高層ビルの無いヨーロッパの夜はとにかく暗い。それが山の上となれば猶更である。時刻は未だ17時過ぎだったが、ゲッレールトの丘はとうに真っ暗だった。コロナ禍でなければ観光客がウジャウジャといて雰囲気が違うのかもしれないが、この時の丘で見かけたのはほんの数人だったし、皆目的が違ったのか離れた場所にいた。
治安の悪い場所ではないので怖さは感じなかったが、寒さも真実味を帯びてきたこともありサッと山を下りることにした。

 

翌日、最終日は国会議事堂見学ツアーに参加した。
以前パリの上院議会を見学したことがあり、ヨーロッパの議事堂は初めてではなかったこともあり、そこまで物珍しくは感じなかったものの、見ごたえがあり楽しいツアーだったので、ブダペストを訪れるのであれば是非このツアーは行程に組み入れることをオススメする。内部の見学写真はInstagramのストーリーに少し載せているので、興味があればご覧いただければと思う。

夜景の話ばかりしてきたが、国会議事堂は昼間の姿も美しい。離れても、近づいても、色んな写真が撮れる。

 
 
 
 
 
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先程、街並みはイマイチだと述べたが、漁夫の砦から国会議事堂を撮影した時に写る建物群は風情があって素敵である。

 
 
 
 
 
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尚、今回私は行かなかったが、ブダペストと言えば温泉も有名である。
温泉巡りも行程に入れたい場合は、もう少し余裕のある日数で旅行した方が良いかもしれない。

 

ブダペストは、初めてのヨーロッパ旅行で選ぶ街ではないだろう。また、行くとしても、日本からはるばる訪れるのであればチェコオーストリアなど他の都市とセットで周遊するケースが殆どだと思う。

したがって、「何が何でもブダペストに行くべきだ」と言うつもりはない。フランスやイタリアに行ったことがないなら、まずはそちらを優先した方が良いと思う。

それでも、自信を持って言えるのは、ブダペストの夜景と国会議事堂の外観は、私が数々のヨーロッパの観光スポットの中でも特に美しいと思える景色の1つであるということである。

少なくとも私と感性が近い人であれば、行って後悔することはないので、死ぬまでに一度は是非訪れてほしい ――――――。

 

 

※【コロナ禍の欧州旅行】シリーズの記事一覧は以下のリンクよりご覧いただけます。

monamilyinparis.hatenablog.jp