Monamily in Paris (...in London/in Tokyo/in New York/etc...)

派遣留学でパリの街に恋し、東京でアメリカ軍人の夫と結婚し、日系企業の駐在員としてロンドンで単身赴任中の私の純ジャパ奮闘記

結婚式前撮り・フォトウェディングに関する話(念願のパリで撮影しました)

近年、巷では結婚式よりも前撮りやウェディングフォトに重きを置く人も増えてきているみたいですね。
コロナ以降は特に、挙式は行わずに写真だけ撮るというパターンも多いと聞きます。

私たちの場合、先日の記事(こちら→【近況報告】お久しぶりです。 - Monamily in Paris (...in London/in Tokyo/in New York/etc...))に書いた通りの事情もあり、挙式はとりあえず後回しにした一方で、私の会社では入籍半年以内に取得可能な特別休暇があるため、この休暇の賞味期限が切れる前に先に新婚旅行に行くことにしました。
新婚旅行の行先は、2人とも以前より行きたいと思っていたモロッコに決定。そして、せっかく久々に再会できるタイミングなので、どうせならモロッコに行く前にフランス・パリでウェディングフォト・結婚式前撮りをしようということになりました。

撮影のロケーションとしてパリを選んだのは、私が世界で一番好きな街並みで、最も自分の理想とするウェディングフォトのイメージに合致していたから。
まあ、勿論以前パリに住んでいたので、思い入れがあるというのもありますが、それ以上に自分の美的価値観に合う景色なのが大きな理由です。フランス在住時には欧州の沢山の街を旅してきたので、他にも美しい街並みや景色は沢山観てきましたが、それでもやはり私にとってはパリが一番。まあ、これは単に好みの問題ですね。

ちなみに私の夫も欧州駐在経験者で、沢山の国と都市を訪問済ですが、特にパリに興味があったわけではなかったので、今回の前撮りは完全に私の希望でパリに決まりました(笑)というか、そもそも前撮りという文化が日本や韓国中心ものだったりするので、結婚式とは別日にどこかに行って写真を撮ること自体、アメリカ人の夫には特にイメージが無かったようです。
それでも、意外と夫も撮影を楽しんでくれたようで、「今度プラハでも撮りたい」と言っています(何度もやっているとただのコスプレ写真会になりそうな気が・・・笑)

そして、結果的に私としても大満足の撮影となりました。お気に入りの写真いっぱいで選びきれないんですが、成果物の一部をお見せすると以下の通り。

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夫のお母さんからも「今までの人生で見たウェディングフォトで一番素敵!」と言ってもらえたし、友達からも「映画のワンシーンみたい!」と言ってもらえて、とても嬉しかったです。

これは、素晴らしいカメラマンや天気に恵まれたのと同時に、自分自身の過去の色々な経験を生かしてしっかり準備した賜物だとも思っています。
今後、前撮り・フォトウェディングを検討されている方の参考になるように、このあたりについて少しお話ししようと思います。尚、考え方は人それぞれ色々だと思うので、あくまでも一個人の意見・感想だと思ってもらえれば幸いです。
(海外ウェディング現地手配の実務手続については、丁寧に詳しく説明されているブログが他に沢山あるので、ここでは割愛します)

さて、今回の前撮りに当たって、私はカメラマン・ヘアメイク・化粧・ドレス・小物を全て別々に手配しました。これが本当に良かったと思っています。
日本のブライダル業界って、結構色々抱き合わせでプラン組んでくること多いですよね。挙式・披露宴・前撮り・衣装・・・何から何までパッケージ化されていて、便利っちゃ便利なので、否定するつもりは全くありません。
ただ、この方式、個人的に私には合わないみたいです・・・というのは、遥か遠い昔の成人式で判明済みです。

成人式の時は、振袖レンタルと前撮りとアルバム作成とヘアセット・メイクなどが全てパッケージになったプランを使いました。まあ、殆どの人がそうしますからね。
しかしながら、最終的な出来として、そんなにピンとは来なかった気がする。いや、もうあまり覚えてないんですが、ひたすら疲れただけという記憶しかないです。
「提示された選択肢の中から選べば良い」というのは、楽なようで疲弊します。というのも、提示されてから選ぶまでの時間があまりなかったりするんですよね。出されたものの中に心からピンとくるものが無いことだってあるけど、それでもどれかは選ばないといけない。そして、限られた時間で色々選択を迫られると疲れてくるから、判断も鈍る。基本的に先方がプランニングして進めてくれるということは、先方の決めたタイムスケジュールに沿ってポンポン進めなくてはいけないので、段々考えるのが面倒になってさえしまうんです。要らないものもパックに含まれていたりするけど、それを除外することもできないですしね。

・・・という成人式の経験を踏まえ、結婚式の前撮りに当たっては「自分で全部カスタマイズしたい」と思ったんです。まあ、もう1つの理由としては、周囲の友人の殆どが20代で結婚していて、恐らく皆ウェディングフォトは散々見慣れているだろうと思ったので、「後発である以上、未だ誰もやったことのないような個性のあるモノにせねば・・・!!」という、バラエティー番組のひな壇芸人のような使命感に駆られたのもあります(←なんでやねん)。
自分の感性に合うカメラマンを雇って、自分の好きなロケーションを指定して、自分に本当に似合うドレスを格安サイトで探してオーダーメイドで購入し、本当に必要な物だけを揃える―――――難しいように思いますが、やってみると意外とシンプルでした。
費用についても、かなりリーズナブルに収まったのではないかと。為替がトンデモナク円安だったのと、ラグビーワールドカップと時期が重なったことで独房サイズのホテルが超高額(箱根なら一泊二食部屋風呂付の高級温泉旅館に泊まれる価格)だったせいで、仕上がりは安価とは言えませんが、そういう特殊事情を抜きにすれば、日本国内でブライダル会社やフォトウェディング会社のパッケージプランを使うより断然コスパ良いと思います。

①ドレス
→ 格安オンラインショップでオーダーメイド。速達料金を含めても3万円位。巷で数十万円でレンタルされているドレスと変わらないクオリティで、生地もしっかりしています。種類もとにかく豊富で、他であまり見ないようなデザインも沢山。私は基本的に貧乳で既製品が合わないので、オーダーメイドできるのも本当に有難い。
私が狙っていたのは「マーメイドラインだけど、ボリュームもあって華やかさがあるドレス」。世の中の既製品だと、マーメイドのドレスはシンプル過ぎるものも多いんですが、このオンラインショップでは理想のデザインを見つけることができました!
尚、利用したのはBuydress.jpというお店。ウェブサイトが若干怪しい雰囲気で、発送は中国からとなりますが、色々ネットで調査したところ多くの人が購入していたので(使用後のドレスが沢山メルカリでも転売されてる笑)、購入を決意。夫に採寸してもらい、ポチポチとオーダーフォームに入力。採寸方法が間違ってたら、合わないサイズでドレスが仕上がってしまうため、ドキドキしました。結局、特段トラブルもなく、素敵なドレスが届きました。
胸の部分にカップが入っていて、下着は付ける必要が無いとのことでしたが、どうしても動いていると胸の部分に隙間が出来がち(←貧乳すぎる)なので、どうしようかなと思っていたところ、引き出物か何かで頂いたと思われる、何に使うのかもよくわからないくらい小さなサイズの白い今治タオルを発見。カップの所に入れてみたらピッタリフィットしたので、これで行くことに決定しました(笑)
ちなみに、人によっては、何着か衣装を用意して、撮影の途中で着替える場合もあると思いますが、私はウェディングドレス1着のみにしました。カラードレスは着ようと思えばいつでも着れるので、今は「ザ・結婚式!」って感じのウェディングドレスで沢山写真を撮りたいなと。まあ、荷物が増えるのを避けたかったのと着替えが面倒だったのもありますけど(笑)パリが十分フォトジェニックなので、ゴチャゴチャ小細工せずにシンプルに1本勝負の方が映えると思うんですよね。結果、正解だったと思います。

尚、夫の衣装については、私が東京にいる間には買いに行く機会がなかったため、夫が1人で日本の紳士服専門の量販店で購入。既製品とはいえサイズ直し等を店員に色々相談する必要がありますが、夫は日本語が話せないので、英国にいる私がビデオチャットで全部通訳しました。
いやぁ、蝶ネクタイ似合うわ。カッコイイ(←隙あれば惚気る主義w)

②カメラマン・撮影場所
→ パリ在住のインドネシア人、Eny Thérèseというカメラマンに依頼。半日・車送迎付きプランで1000€ちょい。リタッチ済の成果品272枚を納品してもらいました。あまり長時間の撮影だと疲れてしまうし、枚数も多ければ良いってモンでもないので、個人的には十分満足。撮影場所については事前に希望を伝え、行程表を作成してもらいました。
私自身も在仏時はパリの街では何万枚も写真を撮ってきたので、お気に入りのスポットは沢山あって、今回どこでウェディングフォトを撮るか決めるのには本当に悩みましたが、結果的に良い選択ができたかと。
エッフェル塔凱旋門等の主要アイコンも入れつつ、カフェやストリートの写真にも比重を置きたかったので、その旨希望しました。

ヨーロッパでの撮影において、街中の写真ってのは、モニュメントと撮る写真と同じくらい大事。
人によってはヴェルサイユ宮殿とか高級ホテルの部屋とか屋内を選ぶこともあると思いますが、屋内ならわざわざパリまで来て撮る必要ない場合も多いと思います。

というのも、前撮り文化の発達している日本や韓国だと、ヨーロッパ風のカワイイ家をイメージして造られたオシャレなスタジオセットとか沢山あって、カメラマンも慣れてるから構図のアイディアを沢山持ってて、十分良い写真撮れると思うんですよね。
勿論、ヴェルサイユ宮殿の特定の部屋の内装が大好きとか、本当にこだわりがある人はヨーロッパまで来て屋内で撮影するのもイイとは思います。
ただ、そういったこだわりがない場合で、特に日本から撮影のために渡仏してくるのであれば、せっかくなので「誰が見ても、これはパリじゃないと撮れない風景」と思えるような写真を撮った方がお得感があるんじゃないかなと。

「ここでしか撮れない写真」を意識した方が良いのは、ヨーロッパやパリに限らず、海外ウェディングフォト全般に言えることだと思います。
というのも、日本国内でも十分色んな風景が撮れるんですよね。南国リゾートの写真が撮りたいならハワイまで行かなくても沖縄で撮れるし、ラベンダー畑の写真なら南フランスに行かなくても北海道の富良野で撮れるし、砂漠でラクダに乗った写真ならサハラ砂漠まで行かなくても鳥取砂丘で撮れる。だから、わざわざ海外まで行く必要なかったりします。
あ、勿論これは前撮り・ウェディングフォトにポイントを絞った話なので、旅行を兼ねて海外に行って楽しみたいというなら、行きたい場所に足を運んだ方が良いと思いますよ。南フランスのラベンダー畑に行った人は富良野とはスケールが違って広大な自然が臨めると言うし、私自身も鳥取砂丘サハラ砂漠の両方に行ったことがありますが、やはりサハラ砂漠は壮大で、時間をかけて行って本当に良かったと思います(モチロン、鳥取砂丘も魅力ある場所なので、中四国地方を訪れる際は是非足を運んでくださいね。温泉旅館も一緒に楽しめますよ!)。

さて、話が逸れましたが、パリらしい街中での撮影は、自然体なのにロマンチックな写真が撮れてオススメです。
ウェディングドレス着て街中で撮影していると結構目立つので、通行人にめっちゃ見られます(笑)多くの人が祝福の声をかけてくれて、中には一緒に写真を撮らせてほしいと頼まれることも多々ありました。
カフェでクロワッサンとコーヒーを楽しんでいるシーンの撮影中は、周りにちょっとした人だかりができて、皆スマホで私たちの写真を撮っていましたw
芸能人にでもなった気分で、面白い経験ができました(笑)こんなにも多くの他人から写真を撮られることは、これが人生で最初で最後でしょう。

③ヘアセット・メイクアップ
→ Enyから紹介されたLillyに依頼。2人体制(ヘア担当とメイク担当)で、300€。こなれた感じにしたかったのと、あまり輪郭を出したくなかったので、元々髪型はダウンスタイルを希望してたんですが、Lillyに事前に写真を送ったところ「ボリュームあるドレスなんだから、髪はアップの方が良いと思うわよ!」と言われてしまいました。こういう時、ついつい「プロがそう言うなら・・・」と流されがちですが、自分のことを最もよく知っているのは自分なので、経験上、流されて決めちゃうと後々後悔する可能性も高いんですよね。
どうしようかなと悩んでいたら、Lillyが「今電話していい?電話で話した方が早いと思う!」と言って電話をかけてきました(笑)
Lillyは決して意見を押し付けるようなことはなく、「あなたに自信をもってほしいから、ダウンスタイルの方が良いならそれでも良いんだけど、プロの目で見るとこのドレスならアップの方が絶対良いと思うの。朝6時にあなたのホテルに行くから、アップも試してみない?十分時間あるし、気に入らなかったらダウンに変更すればいい」とのことでした。私も「それならいいかな」と思い、了承。
当日、実際アップスタイルで良い感じだったので、アップで行くことに決めました。アップでも色々な髪形があるけど、大人っぽいこなれた感じにしてくれたので、とっても気に入りました。あとから写真を見返しても、バランス良くてしっくりきてる。感謝です。

メイクアップの方は、最初アイメイクをシンプルに仕上げられたんですが、私はアイメイクバッチリでないと落ち着かないので、追加でアイラインとアイラッシュをモリモリ足しまくってもらいました(笑)
そして、アイメイク濃いめにリクエストしたところ、眉毛も濃いめにされて、薄・細眉派の私としては最初は見慣れなかったのですが(鏡に映った自分が東南アジアの人に見えた笑)、見慣れてくると眉毛あった方が顔が引き締まって良いような気がしてきました。今後は普段のメイクでも眉毛しっかり描くようにしようかなさえ思いましたね。
近頃では濃い眉毛の方が主流ですが、私は90-00年代のファッションやメイクが好きなので、濃い眉って何か80年代っぽく見えて苦手だったんですよね。でも、今回みたいな感じだったらアリかなと思います。
髪型と言えメイクと言え、自分の要望も伝えつつ、新しい発見もあって、結果的にとても良かったです。

④アクセサリと小物
→ ドレスや髪型のところでも触れましたが、とにかく全体のスタイリングを考えるうえで、年相応にこなれた感じにしたかったんですよね。ゴージャスなんだけど自然体ってのが理想。
ゴチャゴチャ色々付けすぎると、目立たせたいモノが目立たなくなって、理想とするゴージャスさから遠のいてしまう――――だからこそ、アクセサリや小物は最低限にしました。

これって何にでも当てはまるんですよね。とある人気のラーメン屋で、看板メニューのスパイシーな味噌ラーメン・トッピング全部乗せを食べた時、1つ1つの素材は美味しいのに、それぞれの具材の主張が強すぎて、良さを殺し合ってしまっていて、このラーメン屋のコンセプト・基軸とする部分が何なのかわからなくて残念だなと感じたことがありました。
私の好きなラーメン屋って、ハーモニーが感じられるラーメンなんですよね。こってりでもさっぱりでもどちらでも良いんだけど、とにかくコンセプトがはっきりしてるのが大事。例えば、シンプルな鶏出汁の醤油ラーメンでも、ちぢれ細麺がスープと絡み合って、トッピングされた柚子の香りが全体を包み込んで個性を出していたら、口にした瞬間にゴージャスな幸福感を味わえるものですよ。

・・・失礼、話が逸れすぎましたね。閑話休題
アクセサリについては、髪飾りやベールは付けず、大ぶりのピアスを付ける代わりにネックレスは小ぶりのものを選び、婚約指輪・結婚指輪が派手めなので、ブレスレットは小ぶりのものにしました。
(全部夫からプレゼントしてもらったもので揃えたかったのもありますけど♡)
ぶっちゃけ靴は、持っている中からヒールの高さが10センチの物を探したところ、たまたまこの赤い靴が該当したのでこれ選んだんですけど、結果的に白っぽい世界観の中で良いアクセントになりました。マーメイドドレスだから、身長170センチくらいほしくて、旦那との身長差が縮まるデメリットはあれど、旦那にも5cmのシークレットブーツ履いてもらって、私は10センチヒールにしました。
小物は、ブーケで彩りを添えたいなと思って、宿泊していたホテルの近くの花屋さん(カメラマンEnyに紹介してもらいました)で前日にブーケを購入。パステルカラーっぽいピンクや白のバラを中心に構成して、フワッとした感じにするのが理想。大きすぎず小さすぎない丁度良いサイズの花束を作るのって中々難しかったです。私の夫は日常的に花束をプレゼントしてくれるので、花束づくりには慣れているだろうと思い、具体的な花のチョイスは夫に任せました(笑)
ドレスやパリの街や全体のスタイリングとマッチした良い感じのブーケが作れたと思います。

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さて、色々書きましたが、もし、私が10歳くらい若い時に結婚してたら、選ぶ衣装も小物も髪型も違ってきたと思います。恐らく、もっとコテコテのプリンセスっぽい感じにしていたのではないかと。
人は年齢によって違った美しさの見せ方がありますから、当然のことですね。
せっかく30代半ばで結婚したんだから、30代のアドバンテージを色々出していかないとね!

結婚式前撮り・ウェディングフォトのやり方には正解も間違いもないし、本人たちが納得する形で行うのが一番。
もし、私たちの体験談が、少しでも他の方の役に立てれば幸いです!

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